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講演・記事依頼

Recent activities

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With Joseph Nye, Kenedy School at Harvard University (2012.4)

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31th October 2014
 雑誌掲載記事を紹介いたします。ぜひご覧下さい。
 「東欧激震の拡大――ウクライナを見る視点」(1ページ目)(2ページ目)
 「EUの蔵書、世界の歴史教科書の蔵書」

11-15th September 2014
ウクライナ・マイダン革命と新政権のEU連合協定批准に関する調査 2014.9.11-15.
 現在、ウクライナ、キエフに来ている。メディア、研究者、経済界など多彩な方々との共同調査である。キエフでは、第11回のヤルタ・ヨーロッパ戦略(YES)という、政府・官僚・メディア・経済界からなる、大型国際会議に参加する。
 これは、Victor Pinchukというクチマの娘婿でウクライナの世界的財閥が資金を提供し、ウクライナからは、クチマ、ポロシェンコ大統領、ヤヌーチク首相、外相、など閣僚が勢ぞろいし、ポーランドの元大統領 Kwaskiewskiがボーディングメンバー,  EUからは、バローゾ、ソラナ、European Commission の拡大近隣諸国政策担当委員、Stefan Fule, アメリカからは昨年はBill Clinton, 今年は Harvard University から、Lawrence H. Summers, School of Government, 欧州議会議長、イギリスからは、Tony Blair, ドイツからは、昨年はSchroeder, 今年はDominique Strauss-Kahn,IMF Managing Directorなどが参加し、それらを、BBCのスタッフが世界に放送する、という大掛かりなものである。
 昨年まではヤルタで行われるEUとウクライナの国際会議であったが、昨年11月のマイダン革命以降、今年は新政権を踏まえてロシア軍が支配するヤルタではなく、革命後の新政権によりキエフで行われる、というものであった。明日9月16日のEUとの連合協定を踏まえ、担当大臣や関係者にもインタヴューする機会を得ることができ、ウクライナとEU、ウクライナとNATOに関する情報を多数入手することができた。
 マイダン広場で始まった革命は、現在大きくヨーロッパに向けて舵を切っており、ウクライナはあらゆる犠牲を払っても、戦争の終焉と、ロシア軍の侵入に対する「領土保全」について、東ウクライナを分離させたり連邦化させたりするのではなく、統一ウクライナ国家を維持するためにあらゆる犠牲を払おうとしている。EUとNATO、アメリカのスタンスは、それぞれ微妙なところがある。
 EUは基本的には経済同盟であり、2004年のオレンジ革命のときは、ウクライナへのEU拡大に対してはほとんどノーコメントであった。その反省としての2010年のヤヌコヴィッチ政権への、新ロシアへの揺り戻し、EUとの連合協定拒否、という問題もあり、今回は、2013年11月に始まった革命には積極的サポートを表明したものの、「汚職」「法の支配」が保証されないウクライナには極めて厳しい条件を突き付けている。言葉での支援とうらはらに、条件が整えば将来的な加盟もありうる(整わない限り加盟は難しい)という態度は今までと変わらないといってもよい。しかし、今回のYESの会議にもみられるように、個々のレベル、特に、ドイツの経済界、エストニアの大統領、拡大・近隣諸国政策担当相など、一部のコミッションや経済関係者は、ウクライナの長期的な加盟を視野に入れ始めている(EUの経済利益を損なわない限りで)という姿勢が見られる。
 NATOも微妙で、ウクライナはNATO加盟を打ち出しているが「NATO側は必ずしも積極的でない」という留保をつけており、ウクライナの積極性に対して、西側は、サポートは表明しつつ、具体的な対応は、対ロシアの出方もあり、慎重に状況を見極め続けている、という状況であった。
 より詳しくは、改めて論文にする予定である。

 1-2 Augst 2014
韓国 Jeju(済州島)でアジア国際会議
 2014年8月1-2日、韓国済州島で、アジア共同体の国際会議が開かれた。
 今年は、29か国200校の代表、580名が参加した。アジア共同体の講座開設は、日本、韓国、中国を始め、36か国に及び、現在295の大学で、アジアの共同に関する授業が行われているとのこと。そのうちRound Tableとして、580名の前で、Making Think-tank and Training Young Leaders in Asiaについて講演をすることができたこと、それによりアジアにおける地域統合と、シンクタンクネットワークの形成、若者のリーダー育成の重要性を皆さんに伝えることができたことは貴重であった。今後も国際会議、論文、著書、また学術会議やEUとの交流などで、多角的かつしなやかに、アジアの知的ネットワークの発展について、発展させて行きたいと考えている。
 折からの台風の直撃で、帰りの飛行場が封鎖され、2日に帰国できなくなったことは、次の重要国際会議の委員会が日本であったため、大変ショックであったが、台風の中、30か国を超える国の代表たちと、友人として、またアジアの共同を進め政治・経済・教育・文化について、仲間として語り合い、議論し、交流することができたことは大きな収穫であった。短い期間であったが、数百人とともに、同じ目的をもって報告しあい、語り合胃、未来に向かって協同を誓い合えた経験は、政治問題・領土問題を巡って国家的には不安定要因を多く抱えているがゆえに、非常に重要なものであった。ぜひ、教授、研究者、若者のレベルでの知的交流のパイプを発展させていきたい。

 15th July 2014

IPSA Montreal にて報告
 7月19-22日、カナダのケベック州にある、Montrealで、IPSAのAnual 国際会議が開かれた。今回は、America, Troy University のJoel Campbellらと、Power Shift and the US role in Asiaというタイトルで報告した。アメリカ東海岸の国境に近く、1年研究生活を送ったHarvard University, Cambridge, Boston の空気にも似ており、他方でフランス語が飛び交って、Paris のSorbonne Univ. のようでもあり、またUK やドイツからも多くの参加者があり、これまでで最大人数の参加の大会の一つとも言われて、ハーバード、ロンドン、パリ時代の研究生活時代を思い起こしつつ、大いに交流を深めてくることができた。
 ケベックにもアジアからの移民が増えており、アジアへのPower Shiftと、共存共生社会の意味を改めて考えさせられた。増えてくる中国系、韓国系、アジア系移民に対しては、言語政策はどのように保障されていくのだろうか。

15th July 2014
鳥越さんの「世界歴史教科書コーナー」青山学院大学図書館に開設
 麻布中学・高校世界史教諭、鳥越泰彦さんが世界を回って集められた、「世界歴史教科書」数百冊のコーナーが、青山学院大学の図書館に、図書館長・図書館のご厚意もあり、開設された。
 鳥越泰彦さんは、麻布学園の中学・高校の教師をされながら、オーストリア・ハンガリー帝国史研究、世界史教科書の執筆、世界の歴史教科書の比較研究を進められていた。
 韓国の高校との交流の中で、突然の訃報を受けた後、その鳥越さんの遺志を継ぐ形で、できるだけ多くの方々に使っていただこうという、麻布学園の氷上前校長先生、加藤史郎元世界史教諭・愛知県立大学教授、鳥越さんの奥様のご厚意により、麻布学園からも歩いてこられる距離で、鳥越さんが長く教鞭をとられた青山学院大学の図書館に、鳥越さんの貴重な各国の歴史教科書が寄贈された。ありがとうございます。
 鳥越さんの集められた、日本で唯一の「世界歴史教科書コーナー」は、身分証明書、ご自身の大学図書館からの紹介状をお持ちいただければ、どなたでも閲覧することができる。
 ぜひ、日本の、およびアジアや世界の、多くの歴史学研究者、高校・中学の先生方、歴史教科書に関する論文を書かれる院生、学生、研究生に、使っていただきたい。使いやすいようにすべてを一つの「世界史歴史教科書コーナー」にまとめてある。
 ぜひ皆さん、ご利用にいらしてください。

 18th May 2014
 麻布中学・高校の世界史教諭、鳥越泰彦さんを偲ぶ会が、麻布学園で行われた。
 優れた教師であった鳥越さんは、オーストリア・ハンガリー帝国の外交史から研究を初められて、近年は世界の歴史教科書の比較に、多大な貢献をされていた。
 鳥越さんはこの何年間の間に、独仏歴史教科書、アジア日中韓の歴史教科書の比較研究を集中的に行われ、現地を訪れ、多くの貴重な分析を重ねられていた。
 私自身、この間「ヨーロッパとアジアの地域統合の比較分析」のなかで、独仏の和解、ドイツ・ポーランド和解、ドイツ・イスラエル和解、および日中間の和解と歴史教科書問題に関心を持って 資料を集めてきたが、世界各国の歴史教科書を、可能な限り多く収集され分析され、博士論文を完成しようとされた鳥越さんの努力・献身・研究への貢献は極めて重要なものがある。
 まだ若くして、研究の半ばに逝かれた鳥越さんの無念の思いはあまりある。優れた教師・研究者であった、鳥越さんのご研究に、心より敬意を表したい。
 韓国の高校と、麻布高校との交流中に、韓国で亡くなられたことは誠に痛恨の極みであるが、それによって、鳥越さん自身が、韓国と日本との交流の懸け橋となられたのではないか。鳥越さん、また麻布学園の御努力によって、日本と韓国との若者交流が今後大きく発展することを期待したい。 鳥越さんのご冥福を、心よりお祈り致します。

 17th May 2014
 麻布中学・高校で、講演会に招待され、講演を行った。
 タイトルは、『パワーシフトとゼノフォビア』。21世紀以降この14年間に現在起こっている国際関係の変容を踏まえ、「パワーシフト」の問題を検討した。一つには、軍事力から、経済力、知力へ、今一つには、米欧日など先進国の停滞と、新興国の成長を検討し、2013年のGDP, PPベースのGDPでは、中国が日本を大きくしのぎ2倍近くとなり、アメリカの2分の1に迫りつつあること、ASEAN+3は、すでにアメリカのGDPと同様であることを示したうえで、ヨーロッパおよび日本で成長しつつあるゼノフォビア(外国人嫌い)の実態分析を、移民、中産層の没落、失業などにより説明した。その後、麻布生による多くの質問を受けた。
 麻布の自由な校風を一身に受けた、優秀でチャレンジングな麻布生たちには、自分の得意分野を生かして、ぜひ世界で、日本で、自分の力を精一杯生かして、活躍していただきたい。

 15th May 2014
ウクライナ問題 への言及
 東京新聞より、「帝国主義は甦るか、ウクライナ問題」についてインタヴューを受ける。 
 ウクライナ問題の発端は、2013年11月の、EU連合協定の拒否から始まったものであり、
 ロシアによる帝国主義の拡大とは安易にいうことはできないこと、まず、ウクライナという、EUとロシアのはざまにある地理的・政治的・文化的・言語的な特徴を理解し、ウクライナ内部の分裂した国家・民族的アイデンティティを、理解する必要があること、合わせて、東西のはざまにある、ウクライナに対する米ロ、EUロシアの戦略分析の重要性について説明。
 その後、公明グラフからも執筆依頼を受ける。ポロシェンコ大統領就任後の、東ウクライナに対する空爆の問題点について触れながら、ロシアから、アメリカやEUからでなく、ウクライナの東西それぞれの市民がどのような解決方法を望んでいるのか、に関して、考える必要があることを記述する。
 その後7月には、憲政会館で、下斗米伸夫先生らと、末には、東京外語大学の本郷サテライトで、名越さん、渡邊啓貴先生らと、ウクライナとEU・アメリカの関係について報告・コメントを行った。私の姿勢は、ウクライナ問題はロシアからのみ論じていては見えない点が多いであろうこと、EUとの関係、またウクライナ内部の、分裂した民族アイデンティティについても検討を行う必要があろうこと、「貧しい西と豊かな東」に思いを致すべきであろうこと、などである。

9-11th May 2014
 USA, University of Floridaにて、American Hungarian Educational Association のConference. そこでは、Democracy and Nationalism in Hungary and Central and Eastern Europe について報告する。  Hungary のRadical Rights, Orban政権の現状と課題、ホロコースト、などについて報告を行った。
 ヨーロッパにおけるRadical Right やXenophobiaの成長には、グローバル化の問題点、Power Shift, 民主化の問題点などの問題がかかわっており、また時代別(1990年代と、2000年代の違い)、地域別(中・東欧、中欧、西欧、北欧)、テーマ別(雇用、社会福祉、EUとの関係、民族・マイノリティ、移民、中産層の没落と頭脳移民の拡大など)に検討していくべき、複雑で厄介なテーマであることを訴え、非常に共感していただいた。

 31th March – 4th April 2014
 日本学術会議の代表として、家副会長、長谷川真理子教授とともに、イスラエル科学アカデミーと、Hebrew大学を訪問。私の任務は、特に、社会科学と、国際関係について、アカデミー、大学と、今後の充実した交流の素地を築いてくることであった。Hebrew大学からは、さまざまの提案がなされたが、社会科学については、Democratization and Development, National Identity, Older Society, Japanology, などが提案された。また羽場久美子からは、Reconciliation, Making Think Tank、Regional Integration comperative studiesなどについて提案を行った。両者ともにより実質的な共同研究を発展させること、隔年に相互の国で、国際会議ないしワークショップを持つこと、若手アカデミーへの積極的援助などが合意された。
 イェルサレムの旧市街をめぐり、その美しさとまたパレスチナとの格差の広がりに多くを考えさせられた。またHebrew大学に行く途中、パレスチナ地区を通った時の、著しい格差には深く考えさせられるものがあった。

 19th January 2014
 学術会議の雑誌『学術の動向』1月号の特集1に 『グローバル化における「パワーシフト」への対応』が出された。
 前文化庁長官近藤誠一氏はじめ、(敬称略)猪口孝、鈴木基史、土屋大洋、羽場久美子、大芝亮、猪口邦子らの報告、古城佳子、小林義彰、杉田敦らのコメントにより、パワーシフト論が、理論、インターネット、ナショナリズム、世界経済、軍縮不拡散、などの視点から語られ、国際政治、政治過程論、政治理論の立場からコメントがなされた。
 これは、2013年6月の、学術会議でも公開講演会を基礎に、作成されたものである。
 羽場久美子は「パワーシフトー国家不安、領土紛争とゼノフォビア」と題して論じている。

 22th March 2014
 京都産業大学にて、Confidence Building アジアの地域協力について話す。日米中韓台湾の共同国際シンポジウムンが開かれ、報告。書籍になるとのこと。
(https://www.kyoto-su.ac.jp/project/kikou/sekaimondai/kenkyu/20140221_workshop.html)

 2-14 March 2014
 インドに、アジア・シンクタンクのネットワークを、というテーマで、40か国100名を超える会議が、4日にわたって開かれ、招聘・報告・討論に参加した。インドは率先して南アジアの平和・発展・リーダーシップを実現しようとしている。日本も可能な限り、ASEAN+3、+6などと戦略的に協同を実現すべき。

 1th February 2014
 琉球大学、我部さんの国際沖縄研究所で、アジアの共同について、日米中韓台湾と沖縄の人たちが集まって、沖縄をハブとした共同関係の方向性、歴史的経緯などについて重要な会議が開かれた。
 開かれた海をめぐっての今後のシンクタンクネットワークの広がりを検討してゆきたい。

1th January 2014
・新しい年の初めに、日本・アジアの平和・安定と繁栄、世界の平和・繁栄と発展、貧困からの回復を心より祈ります。
 世界の人々にとって、平和で幸せな良い年となりますように。>羽場久美子
・戦後「和解」により急速な復興を遂げ、地域統合と拡大により、アメリカに並ぶ「規範のパワー」であり続けている、
 欧州連合(EU)の教訓を基礎に、アジアにおける和解、日本・中国・韓国の和解と安定と繁栄を実現し、
 日本と地域、世界に利益と平和と繁栄をもたらすことを、残りの人生のミッションとしたい。
 素晴らしい1年となりますように。
 ★ 『戦場のアリア』(映画)、「和解」の一つの形態として是非見ていただきたい。
 第1次世界大戦期の、独仏境界線、アルザスでの、スコットランド兵、ドイツ兵、フランス兵によるクリスマスをともに祝った実話です。
 ICCEES(世界中・東欧学会)世界大会が、2015年8月に開催されます。
 ICCEESのホームページを参照してください。
 Call for Proposalが開始されました。特に、国際会議が初めての若手の方々も、ふるってご参加ください。
 ICCEES日本大会副委員長 羽場久美子

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 福島をはじめ、震災地域の方々に、早く春が来ますように。

 皆さまにとって幸せな1年となりますように。

2014年以前の活動報告