宮島喬
研究内容:
ヨーロッパ諸国におけるナショナル・マイノリティと移民の研究に携わっている。
ナショナル・マイノリティとしては、カタルーニア、オクシタニー、南ティロルなどの住民の言語運動、文化運動とその帰結をフォローしてきた。また、移民の研究としては、特にフランスにおけるマグレブ系、ブラックアフリカ系の移民の第二世代の教育、就労、社会参加に焦点をあてており、その考察にもとづいて彼らの疎外経験と社会的政治的異議申し立てを明らかにしようと努めている。したがって、2005年秋のパリ市郊外での数千台の自動車を破壊した「暴動」の背景の究明が目下の主要な課題となっている。
EUのマイノリティ政策は明瞭とはいえないが、アムステルダム条約以降、マイノリティの保護、反差別がEUではいよいよ重要な課題となってきている。今後は、EUの政策を注意ぶかく検討しながら、西と東のヨーロッパが共通に抱えるマイノリティの問題(たとえば、ロマの差別)を考察していくこととしたい。
教育活動:
「地域研究(西欧)」(2006年度法政大学社会学部講義)
「人の移動とその政策における西欧とアジア」(2006年度 国際社会総合演習)(2006 法政大学大学院社会学研究科)
「市民権におけるヨーロッパと日本」(2006年度立教大学社会学部専門演習)
研究業績:
『移民社会フランスの危機』岩波書店、2006年.
(編著)『外国人の子どもと日本の教育』2005年
『ヨーロッパ市民の誕生――開かれたシティズンシップへ』岩波書店、2004年
Xenophobia in Japan: Historical Context and New Challenges, in Struggle against Discrimination, UNESCO, 2004
(編著)『ヨーロッパ統合のゆくえ』人文書院、2001年.
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